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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.8 (2008年12月公開)

人間関係を築くのが苦手だった私を
おおらかに見守り、積極性、自主性を
引き出してくれた河合塾COSMO

弁護士
青木 信也さん

河合塾COSMO

弁護士 青木 信也さん

小学校4年生から中学卒業まで不登校状態に

・・弁護士をめざそうと考えられたきっかけは何ですか。

青木 小学校4年生から中学卒業まで不登校状態で、ほとんど学校に通っていませんでした。そんな状態でしたから、子ども心に将来に対して不安がありました。自分に会社勤めができるかも非常に不安でした。ならば、資格を取得して自活するしかないと考えたわけです。弁護士を選んだのは、父が弁護士で、馴染みのある職業だったことも影響しています。
とはいえ、高校に通う自信はなかったので、私のような不登校生や、中退者などを受け入れていた河合塾COSMOに入り、大検(現在の高卒認定試験)をめざすことにしました。

・・河合塾COSMOに入って、どのような印象を持たれましたか。

青木 クラス編成がなく、担任教員もいない自由な雰囲気が、私には向いていた気がします。当時、人間関係を築くのがまったくの苦手でしたから、クラスメートと無理やり付き合わなければならない環境にあったら、おそらく逃げ出していたでしょう。通い始めた当初は、誰にも挨拶せずに教室に入り、授業中も机に突っ伏したままという極めて失礼な態度で受講していました。そんな私を先生方は叱りつけることもなく、おおらかに見守ってくださいました。

ゼミや河合塾コスモ農園の作業など、バラエティーに富んだ授業が印象深い

・・思い出に残っている授業はありますか。

青木 河合塾COSMOでは、一般的な教科学習のほかに、バラエティーに富んだゼミが開講されていました。たとえば、牧野剛先生のゼミでは、10代半ばの生徒にとってはやや難解な本を講読した上で、わかりやすい解説が施されていました。そのほか、齋藤亮人先生のゼミで街に出かけて車椅子の疑似体験をしたり、寺島彰先生のゼミでは京大の演習林でキャンプを張ったり……。また、毎週土曜日、河合塾コスモ農園で約1時間、草取りなどの農作業を行った後、ガスバーナーを持参して、皆でバーベキューを楽しんだのも懐かしい思い出です。こうした多様な体験を通して、世界観が広がり、自分を見つめ直すきっかけになりました。あんなに疎ましかった人間関係の方も、少しずつ仲のいい友人が増えていきました。

・・大検に向けての勉強は順調だったのですか。

青木 ええ、実は中学を卒業して1年目に全教科とも合格しました。それで精神的な余裕が生まれたことから、教養的な内容のゼミを数多く選択したわけです。

・・河合塾COSMOには何年間通われたのですか。

青木 第一志望の名古屋大学法学部の受験に2年続けて失敗。3回目でようやく合格することができました。中学3年生の9月から通い始め、大学に合格するまでですから、結局5年半もお世話になりました。私にとっては、河合塾COSMOが若き日の生活のすべてだったと言えます。

どんな試験もゴールから逆算して計画的に勉強する方法が有効

・・大学入学後も弁護士志望は不変だったのですか。

青木 大学入学当初はどうするか少し迷っていたのですが、3年生の頃にはっきりと決心しました。そこで、大学に通いながら、司法試験予備校も活用しました。そして、大学卒業後、3回目のチャレンジで司法試験に合格しました。

・・難関の司法試験に合格できたポイントは何でしょうか。

青木 ゴールから逆算して、計画的に勉強を進めたことが功を奏したと思います。司法試験の最難関といわれる論文試験は、6科目(2時間で2問)が課されます。出題傾向をじっくり調べて、合格できる答案にするには何をやらなければいけないのか。自分なりに計画を立てました。法律用語の漢字を間違いなく書けるようにする、問題文を速く読む力をつけるといった、他の受験生がともすれば見過ごしがちな点も含めて、きちんと計画的に対策を立てました。

時間配分も重要なポイントです。2時間で2問の試験ですから、当然のことながら、5時間かけないと書き終わらないようなレベルの答案が求められているはずがありません。それなのに1問に時間をかけすぎたのでは、その答案がどんなに素晴らしいものであっても、もう1問が疎かになってしまいます。両問とも、最低限のレベルでいいから合格できる答案に仕上げる。試験ではそんな割り切りも必要です。

・・大学入試の対策にも相通ずるところがありますね。

青木 もちろんです。極論を言えば、大学入試でも司法試験でも、出題される分野を深く理解している必要はなく、合格できる答案が書けるかどうかが勝負の分かれ目になります。特に司法試験は、単に法律にくわしいだけでは合格できない試験でもあるのです。私は、理解しなければ答案が書けない問題と、理解していなくても丸暗記で対応できる問題を、分けて考えており、それぞれ異なる対策を立てました。その見極めができるようになれば、合格に向けて大きく前進したとも言えるのです。

・・河合塾COSMOで学んだことが、司法試験の勉強に役立った面はありますか。

青木 先ほど申し上げたように、河合塾COSMOは自由な学びの場でした。それが私には心地よかったのですが、しばらくすると、自由さに甘えて、漫然と過ごすだけでは何も生まれないという気づきも生まれました。自分から積極的にアクションを起こすことによって、何かが動く。そんな思いが私を少しずつ変えていきました。徐々に自主性、積極性が芽生え、自分なりの計画性を持って学習を進める習慣が身についていったのです。それは大学入試でも、司法試験の勉強でも大いに役立ったと感じています。

・・現在、弁護士としてご活躍中ですが、目標にされていることはありますか。

青木 当面の大きな目標は「借金苦で自殺する人がいない社会」を実現することです。解決できない借金というものはありませんから、自殺したり、強盗をはたらく前に、ぜひ弁護士に相談してほしい。そうした悩みを抱える人々にとって、身近な存在でありたいという抱負を持っており、自治体が開催する無料法律相談などにも極力出向くように努めています。

勉強のスタート時期に「早い・遅い」の尺度は関係ない!

・・河合塾COSMOの後輩たちへのアドバイスをお願いします。

青木 まずは夢を持つこと。そして、その夢を叶えるには、準備として何が必要になるのか、十分に調べて、今何をなすべきか、計画性を持つことが大切です。やるべきことを一つ一つクリアしていけば、必ず夢に向かって前進できるはずで、頑張ってほしいですね。

・・最後に、小中学生を持つ保護者の方々に向けて、メッセージを送ってください。

青木 ほとんど学校に行かなかった私ですから、偉そうなことは言えないのですが(笑)。でも、そんな経験を持つ私だからこそ、保護者の方々に配慮してほしいと願っていることもあります。それは、勉強のスタートに「早い・遅い」という尺度を重視しすぎないでほしいということです。やる気になりさえすれば、どの時点からでも巻き返しは可能です。私自身、中学卒業まで、あまり勉強していなかったわけですが、弁護士という目標を見出し、そのために必要な勉強は何なのかがわかれば、自ずと机に向かうようになりました。
問題なのは、小さい頃から、親が叱りつけて勉強を強いるケースが多い気がすることです。それでは勉強が苦行に感じられ、嫌いになってしまいます。けれども、勉強とは本来、人間にとって楽しい作業です。知らない世界がわかるようになることがつまらないはずはないからです。私にとってはテストも楽しいものでした。センター試験などは全国一斉クイズ大会のようなものだと捉えていましたから(笑)。クイズ好きの子どもは多いはずで、テストとはクイズ大会なのだと発想を転換すれば、妙な重圧から開放され、勉強しようという意欲にもつながると思います。おおらかな気持ちで、温かく子どもを見守ってほしいですね。

青木 信也

Profile

青木 信也 (Sinya Aoki)

1975年11月13日生まれ。小学校4年生の頃から不登校となり、不登校のまま中学校を卒業。中学3年の9月期より河合塾COSMOに通い、中学卒業の1年目に大検(現在の高卒認定試験)に全教科合格。1996年名古屋大学法学部に入学、2000年卒業。2002年司法試験に合格し1年半の修習を終えて、2004年10月から青木・成瀬法律事務所にて弁護士として活躍中。

河合塾COSMO

高卒認定受験または通信制・定時制高校から大学進学をめざすコースです。中学卒業以上の方、高校中途の方、通信制・定時制高校在籍の方を対象とします。個別学習に力を入れたカリキュラムが組まれています。

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