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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.41 (2011年11月公開)

強く思うこと、あきらめないこと、
行動を起こすことによって
夢は必ず叶います

世界銀行スーダン事務所
藤原 禎士さん

河合塾KALS

世界銀行スーダン事務所 藤原 禎士さん

国際的なフィールドで紛争解決に関わる仕事をしたいと思い、アメリカ留学を決意

・・現在、世界銀行スーダン事務所に勤務されていますが、国際的なフィールドで活動したいと考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか。

藤原 高校時代、ユーゴ紛争やルワンダ内戦の本を読んで、戦闘の恐怖に怯えながら難民となった人々のことを知りました。日本で平和に暮らしてきた自分とのギャップに衝撃を受け、将来、難民のために何かできないかと考えたのがきっかけでした。そんなとき、国連難民高等弁務官事務所で活躍されている緒方貞子さんの存在を知り、自分も国際的なフィールドで、紛争解決や難民保護に関わる仕事をしたいと考えるようになったのです。

・・その思いは、大学・学部選びにも影響したのですか。

藤原 大学では、紛争とは何か、なぜ起こるのか、どうすれば難民を助けることができるのかを学ぶために、国際関係学、政治学の分野に進みたいと考えていました。また、将来、国際的なフィールドで活躍するためには英語力も不可欠なため、アメリカへの留学を決意しました。最初は、バージニア州にあるコミュニティカレッジから留学生活をスタートさせましたが、一般教養課程を修了後、ウィスコンシン州立大学に学部編入し、希望どおり、国際関係学、政治学を専攻することができました。

・・ウィスコンシン州立大学時代の思い出を聞かせてください。

藤原 とにかく予習、レポートが大変でした。事前にテキストを読んで十分に理解しておかないと、授業についていけないので、金曜日の夜だけは息抜きに友人と出かけていましたが、それ以外は、土日も含めてテキストに向かう生活でした。24時間オープンの図書館をフル活用して、よく泊まり込みでレポートを書いたことを覚えています。

授業で、国際関係概論、政治学概論、地域研究、国際法などを履修する中で、多角的な視点が養われ、興味・関心の方向も変化していきました。紛争解決や難民の保護などの人道支援的なアプローチは、もちろん絶対的に必要なことです。けれども、それが必要になるのは、対応が後手にまわった結果です。重要なのは紛争自体が起こらないようにすることです。では、どのようにすればいいのか。私は、経済的、社会的不公平感が紛争の火種になっていると考えました。そうした不公平感を薄れさせるような開発を行い、人々が貧困から脱却する手助けをしたい。そう考えるようになったのです。

・・大学卒業後、いったん就職されたのですね。

藤原 大学院進学も視野に入れていたのですが、まずは社会に出て、経験を積むことも大切ですし、それによって同時に進学資金も捻出できればと考えました。そこで、将来的に国際的なフィールドで仕事をするうえでも役立つように、モノの流れがわかるデトロイトの日本商社に就職することにしました。商社時代は、自動車内装用の合成樹脂原料の営業を担当。モノの調達から販売、およびそれに関わる物流を考えたり、商談におけるプレゼンテーションや交渉、担当商材の在庫・発注管理などに携わりました。商社で培ったさまざまなスキルや、仕事に対する姿勢は、現在の仕事にも役立っています。

丁寧な添削指導などのおかげで効率的に勉強を進められた

・・社会人経験を経て、再度、大学院に入学されたわけですが、どのような学びを期待されていたのですか。

藤原 先ほど申し上げたように、大学時代、私の志向は、難民を助ける「人道支援的なアプローチ」から、難民が発生する要因である紛争を起こさない「開発的アプローチ」にシフトしていました。それを深めるために、大学院で、個々人に焦点を当てた、人間の安全保障や開発手法などを研究したいと考えていました。

・・河合塾KALSを選ばれた理由をお聞かせください。

藤原 大学院は、経済的理由と、母国語で専門知識を再構築する点に意義を感じて、日本の国立大学を志望していました。東京大学公共政策大学院の入試では、国際法と国際政治の論述試験が課されるため、合格するにはこれまでに培った日本語での専門知識の整理と、論述力強化が必須になります。河合塾KALSには、私の弱点を補強してくれる国際関係論と論述力強化のコースが設けられていたことが決め手になりました。また、実際に、いくつかの予備校に足を運んでみたのですが、河合塾KALSでは、何もわからない私に、とても丁寧に相談に応じてくださいました。そこに好感を持ったことも選んだ理由です。

・・河合塾KALSで印象に残っている授業はありますか。

藤原 「国際関係論」ですね。そもそも国際関係論とは、政治、経済、法律、外交、安全保障などを、国際的な見地から捉えようとする学際的な分野です。非常に広範なため、ともすると、大学院入試対策としてどこに焦点を当てていいのかわからなくなってしまう危険性がありました。授業では、要点をわかりやすく教えてもらい、短期間で知識を整理することができました。授業後も、私の質問に丁寧に応じてくださり、とても感謝しています。

・・そのほか、河合塾KALS時代の思い出をお聞かせください。

藤原 予備校ですから、ピリピリした雰囲気で、殺伐としているのではないかと思っていたのですが、河合塾KALSはとてもアットホームな場だったという印象です。講師やスタッフの方々との距離が近く、常に親身に相談に応じてくださいましたし、受講生同士も自然と打ち解けることができました。競争し合うというよりも、情報交換や勉強会などを通して、お互いに協力し合って勉強を進める土壌があったように感じています。

教育システムとして特筆しておきたいのは、DVD補講と「過去問」の添削指導です。もちろん、授業に出席して、直接質問するのがベストですが、万一都合がつかず欠席したときに、DVD補講で穴を埋めることができたことはとても助かりました。「過去問」は、個人的に入手することも可能ですが、各大学の生協で購入しなければならないなど、時間と手間がかかります。河合塾KALSには、数多くの大学院の「過去問」が蓄積されており、私は毎週閲覧して、自宅で解き、授業後に先生に添削指導をお願いしていました。おかげで効率的に受験準備を進めることができました。

・・大学院入試に向けて、ご自分なりに工夫して、有効だった勉強方法を紹介してください。

藤原 河合塾KALSに入ってから本番入試まで4カ月しかなく、いかに効率よく勉強を進めるかが課題でした。まず自分で受験までのスケジュールを見据えて、計画的な学習を心がけました。最も有効だったのは、志望していた東京大学公共政策大学院で実際に教鞭をとられている教授の著書を、教科書代わりに通読したことです。また、「過去問」を解き、その過程で出てくる疑問を教科書で調べ、その考え方が妥当であるかを、先生に検証、添削してもらうという勉強も進めました。それによって、短期間で学力アップを図ることができ、9月の入試に間に合わせることができました。

・・大学院時代に力を入れたことは何ですか。

藤原 東京大学公共政策大学院は専門職学位課程なので、研究科と比較すると、実践的スキルを学ぶ講座が充実しています。とくに、紛争地域に国際機関や国家がどのように介入し、どんな影響をもたらしたかを学ぶ「国際紛争研究」、現在働いているスーダンを含めて、アフリカへの開発アプローチを研究する「開発援助」などが印象に残っています。

学外の活動としては、合格発表から4月の入学まで環境省でリサーチャーとして働いたり、在学中はIMFで広報インターンをしたり、評価士の資格を取得したりと、とにかく時間を無駄にしないように努めました。

・・現在の仕事の内容を教えてください。

藤原 紛争の影響を受けた国で開発援助のお手伝いをしたいという思いを叶えるために、世界銀行に入社しました。現在は、世界銀行スーダンカントリーオフィスで、Monitoring and Evaluation Officer(M&E)を務めています。スーダンは、1983年から20年以上内戦が続いていましたが、今年7月、南部が新国家として独立し、注目を集めています。世界銀行は、内戦が終わった2005年以降、本格的に開発援助プロジェクトを実施しており、私が務めているM&Eは現在進行中の9つのプロジェクトを監視、評価する仕事です。政府のプロジェクトチームとコミュニケーションを図りながら、仕事を進めていますが、スーダンの人々は温和、素朴で、その国民性がともすると仇になることがあります。仕事を依頼すると、すぐに色よい返事が返ってくるのですが、イスラム教国のスーダンでは毎年、断食月があり、その月は省庁も朝10時から午後2時までなので、まったく仕事が進まないこともあるのです。私はもともと辛抱強いほうなのですが、ますます忍耐力がついたように感じています(笑)。

・・現在の仕事を進めるうえで、河合塾KALSで学んだことが役に立っていると感じられることはありますか。

藤原 受講生からは協力し助け合う精神を、講師やスタッフの方々からは物事に誠意を持って取り組むことの意義を再認識させてもらった気がします。この2つは、仕事をするうえでも、社会で生きていくうえでも、とても大切なことだと感じています。

・・これから大学院進学に挑戦しようと考えている後輩に向けて、アドバイスをお願いします。

藤原 夢は強く思うことで叶います。時間はかかるかもしれませんが、大切なのは強く思うこと、そしてあきらめず、行動を起こすことです。もし夢や目標が見つからないというのなら、もう一度、自分の歩いてきた道を振り返ってみてください。きっと何らかの発見があるはずです。私のきっかけも、高校時代に「難民ってかわいそうだな」と思ったことでした。人生の転機になるきっかけは、すでに皆さんの歩いてきた道に落ちているかもしれません。とりあえず大学院に行くというのではなく、なぜ大学院に行くのか、何を将来の仕事にしたいのか、よく考えてみてください。やりたいことが決まれば、後は行動あるのみです。絶対にチャンスを逃さないように頑張ってほしいと願っています。

・・最後に保護者へのメッセージをお願いします。

藤原 私の両親は声楽家で、二人ともイタリアへの留学経験があります。そのため、私が高校卒業後、アメリカに留学したいと言ったとき、まったく反対されることはなく、むしろ背中を押してくれました。そのことに大変感謝しています。

一方で、小学校低学年のころは母からピアノを、中学時代には父から歌を強制的に習わされました。それで、私はピアノも歌も嫌いになってしまいました。今では歌は大好きですし、ピアノが弾けることもそれなりに感謝してはいますが、とにかく強制されたものはことごとく嫌いになってしまった経験があります。うまくバランスを図るのはとても難しいことでしょうが、強制するのではなく、子どもに興味を持たせるような工夫が大切になると思います。

藤原 禎士 (Teishi Fujiwara)

Profile

藤原 禎士 (Teishi Fujiwara)

1979年東京都生まれ。都立立川高校卒業後、アメリカへ留学。コミュニティカレッジで一般教養課程を修了後、ウィスコンシン州立大学に学部編入。卒業後、商社(デトロイト支社)にて合成樹脂原料の営業を担当する。2年間の職務経験を経て、大学院進学を決意。河合塾KALSで「英語&論述力強化コース」と「国際関係論」を受講し、2008年東京大学公共政策大学院に入学。同大学院修了後、2010年世界銀行に入行。現在、スーダン事務所にてMonitoring and Evaluation (M&E) Officerとして活躍中。

河合塾KALS

河合塾KALSは、大学生・社会人を主対象にしたキャリアの予備校です。
難関試験である「医学部学士編入対策講座」をはじめ、大学院入試対策(心理系、国内MBA、税理士「税法」科目免除、社会科学系)、高卒生対象の短大併修型の大学編入コース(カレッジコース)も設置しています。

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