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文部科学省全国学力・学習状況調査平成27年度 中学校(3年)問題分析

国語A・知識

分析科目

中学校3年生 国語A(主として「知識」に関する問題)

見出し(トピックス)

文章読解に偏らない多彩な出題。

今回の学力調査から読み取れること(方向性や求められる学力など)

普通に文章を読んで答えるという従来からある「国語」のテストのような文章読解の問題は、大設問9題中、3題しかなかった。「話すこと・聞くこと」の領域について問う問題と、「書くこと」の領域や「読むこと」の領域を問う問題とがバランスよく、かつ幅広く出題されており、教科書を隅々まで学習し、幅広い知識を持つことが求められている。昨年度見られた、「国語B」の内容に近い、幅広い「活用」能力が求められる問題は、今年度は見られなかった。

分量・形式・内容(従来と比較して)

解答時間:45分大設問:9題小設問:35問
従来は大設問数が8題、小設問数が32問であったが、今年度は大設問数が9題に、小設問数が35問に増加した。大設問9の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」以外の設問では、短答式が20%、選択式が80%となっている。この割合は従来通りである。今年度は、昨年度見られた抜き出し式の設問がなく、選択式の設問が中心の構成になっている。なお、「話すこと・聞くこと」の領域の「聞く」能力を評価するには、リスニングを導入しないと難しいであろう。

範囲・分野(従来と比較して)

以前の「小学校」の学力テストの出題を意識した設問が2問、以前の「中学校」の出題を意識した設問が4問見られた。未習事項の出題は見られなかった。教科書を隅々まで学習し、幅広い知識を持つことが求められており、「国語」という教科を幅広い枠組みでとらえていく必要があることを示唆している。また、素材として文章以外にグラフや表や漫画が用いられた。

入試への影響

第4問のグラフ、第8問の五の毛筆、六の手紙のような設問は、さまざまな県の公立高校入試などにも類似した設問が見られる。「国語A」のみに限定するのは難しいが、「国語B」も含めて考えると、福井県や静岡県の公立高校入試問題のように影響が出ていると考えられるものがいくつか見られる。私立高校入試にはほとんど影響が出ていない。

大設問
(合計 35)
出題内容 分析
第1問
(2)
スピーチをする 「話すこと・聞くこと」の領域について問う問題である。一はスピーチの途中で聞き手の反応を踏まえて、とった対応として適切なものを選択させる問い(選択式)。二は「成否」という言葉を、聞いて分かりやすい表現に直させる問い(短答式)。一は平易であるが、二は「成否」の語彙がない生徒は空欄に当てはまればよいという感覚で書いている可能性がある。
第2問
(3)
意見文を書く 「書くこと」の領域について問う問題である。一は意見文に対して出された指摘の理由として適切なものを選択させる問い(選択式)。二は意見文を直した意図として適切なものを選択させる問い(選択式2問)。いずれも平易である。
第3問
(3)
文学的な文章を読む 一は「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」について、二と三は「読むこと」の領域について問う問題。素材としては『風の又三郎』が使われた。文学的文章の素材は、比較的古い著名な作品が使われることが多い(昨年度は『坊っちゃん』)。一は用いられている表現の工夫として適切なものを選択させる問い(選択式)。平成24年度の中学校の「国語A」の第3問の二、平成26年度の中学校の「国語B」の第1問の一で出題された問題と関連した問題である。二は一人も返事をしたものがなかった理由として適切なものを選択させる問い(選択式)。三は嘉助の言動から読み取れる様子として適切なものを選択させる問い(選択式)。平成26年度の中学校の「国語B」の第3問の二で出題された問題と関連した問題である。いずれも平易である。
第4問
(1)
グラフから分かることを書く 「書くこと」の領域について問う問題である。一は棒グラフの変化の内容を適切に書かせる問い(短答式)。平易である。なお、【日本の人口推移を表したグラフ】は、「国語B」の第2問でも資料として取り上げられている。
第5問
(1)
説明的な文章を読む 「読むこと」の領域について問う問題である。一は「なぜ、排水管はS字形になっているのか。」という問いに対する答えとして適切なものを選択させる問い(選択式)。平成26年度の中学校「国語B」の第2問の三で出題された問題と関連した問題である。平易である。
第6問
(3)
説明的な文章を読む 「読むこと」の領域について問う問題である。一は「あす」と「あした」という言葉の意味の変化を整理した表に当てはまる言葉として適切なものを選択させる問い(選択式2問)。二は文章の表現の特徴について説明したものとして適切なものを選択させる問い(選択式)。いずれも平易である。
第7問
(2)
委員会に寄せられた要望に対する回答を書く 「書くこと」の領域について問う問題である。一は二つの回答案の構成の違いを説明したものとして適切なものを選択させる問い(選択式)。二は要望を適切に捉え、回答案の冒頭に一文を加えさせる問い(短答式)。平成25年度の中学校「国語A」の第3問の二で出題された問題と関連した問題である。一は平易であるが、「放課後」という時間帯が抜けていたり、末尾を「検討してください」にしたりするなど、情報の取り上げ方に差が出た可能性がある。
第8問
(2)
インタビューをする 「話すこと・聞くこと」の領域について問う問題である。一はインタビューをする際の質問の意図として適切なものを選択させる問い(選択式)。平成24年度の小学校「国語A」の第2問で出題された問題と関連した問題である。二は意図に合った質問として適切なものを選択させる問い(選択式)。一は平易であるが、二は設問の意図を正しく押さえる必要があった。
第9問
(18)
伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」について問う問題である。一は漢字の書き取り(短答式3問)。二は漢字の読み(短答式3問)。三は適切な語句や敬語を選択させる問い(選択式6問)。イは平成20年度、オは平成24年度の問題と同一の問題である。四は適切な品詞名を選択させる問い(選択式2問)。五は毛筆で楷書の文字を書く際の運筆の説明に対応する部分として適切なものを選択させる問い(選択式1問)。六は手紙の後付けの直し方とその理由として適切なものを選択させる問い(選択式1問)。平成24年度の小学校「国語B」の第1問の三で出題された問題と関連した問題である。七は漫画の言葉に対応する古典の文章の一部分として適切なものを選択させたり、古典の作品名を書かせたりする問い(選択式1問・短答式1問)。三、六以外はいずれも平易である。

国語B・活用

分析科目

中学校3年生 国語B(主として「活用」に関する問題)

見出し(トピックス)

複数の素材を活用する力が問われる問題。

今回の学力調査から読み取れること(方向性や求められる学力など)

昨年度は複数の文章素材が提示され、素材の関連を考えさせるものがあったが、今年度はそれは見られず、従来のような「図」・「グラフ」と「文章」という、はっきりした非連続型の素材を使ったものに戻った(第1問・第2問)。また、昨年度は出題されなかった文学的文章が出題された(第3問)。記述式の設問はいずれも素材の関連を考えることよりも、設問の条件を守ることのほうが難しいものであった。第2問では、社会的な場面での活用能力が問われた。

分量・形式・内容(従来と比較して)

解答時間:45分大設問:3題小設問:9問
大設問は3題で従来通り。一昨年度11問に増えた小設問は、昨年度同様9問であった。記述問題は50字~80字が2問、80字~120字が1問出題された。全体の記述量は昨年度より増加した。また、選択式は6問出題され、短答式の設問は1問も出題されなかった。

範囲・分野(従来と比較して)

従来のような「図」・「グラフ」と「文章」というはっきりした非連続型の素材を使ったものに戻った。第1問では学校場面での活用能力が問われたが、第2問では社会的な場面での活用能力が問われた。

入試への影響

公立高校入試で「図」や「グラフ」の読み取りが出題されることはあっても、複数の素材を比較させる問題はこのところ出題されていない。

大設問
(合計 9)
出題内容 分析
第1問
(3)
資料を作成して発表する 「話すこと・聞くこと」「書くこと」の領域について問う問題である。素材としては、自分の特技について発表する際に使用する「ノート」と「フリップ」が使われた。一はノートにある「その他の情報」を役立てられる場合として適切なものを選択させる問い(選択式)。二はフリップを作成する際に取り入れたポイントとして適切なものを選択させる問い(選択式)。三は演奏するタイミングを選択し、その理由をノートの内容と結び付けて書かせる問い(記述式)。一、二は平易である。三はまずノートの内容を正しく理解したうえで、演奏するためのタイミングを選んだ理由をそれと結び付けて書かなければならず、書きづらかったと考えられる。
第2問
(3)
情報を関連させて読む 「書くこと」「読むこと」の領域について問う問題である。素材として「ウェブページの文章」と「日本の人口推移を表したグラフ」、「雑誌の記事の一部」が使われた。「日本の人口推移を表したグラフ」は「国語A」の第4問にも使われたものである。一はウェブページの文章の内容について述べた文の空欄に当てはまる言葉として適切なものを選択させる問い(選択式)。二は雑誌の記事に書かれていることとして適切なものを選択させる問い(選択式)。三は資料を参考にして2020年の日本の社会を予想し、その社会にどのように関わっていきたいか、自分の考えを書かせる問い(記述式)。平成24年度の小学校「国語B」の第3問の四で出題された問題と関連した問題である。一、二は普通の文章読解であり、平易である。三は社会の予想については書けたとしても、自分がその社会とどう関わるかを具体的に想像するのが難しかったと考えられる。
第3問
(3)
文学的な文章を読む 「書くこと」「読むこと」の領域について問う問題である。素材としては、小泉八雲の「貉」が使われた。一は「お泣きなさるな」という翻訳の効果として適切なものを選択させる問い(選択式)。二は本文中の「あたりは……良かった。」の説明として適切なものを選択させる問い(選択式)。三は文章の最後の一文があった方がよいかどうかについて、話の展開を取り上げて自分の考えを書かせる問い(記述式)。一、二は平易である。三はただ理由を書けばよいというわけではなく、話の展開を取り上げてそれと関連付けなければならず、かなり難しかったと考えられる。

数学A・知識

分析科目

中学校3年生 数学A(主として「知識」に関する問題)

見出し(トピックス)

内容、難易度ともに変化なし。

今回の学力調査から読み取れること(方向性や求められる学力など)

証明の普遍性を問う問題、作図方法の根拠を考えさせる問題、さらに関数や確率の定義を問う問題に見られるように、単に問題解決の手続きを理解するだけでなく、その意味や背景の理解とともに問題解決ができる能力を身につけることを求めていると考えられる。

分量・形式(従来と比較して)

解答時間:45分大設問:15題小設問:36問
問題形式は選択式および短答式で従来どおりである。

範囲・分野・内容(従来と比較して)

従来と同様、各領域からまんべんなく出題された。一つの特徴として、中学1年で学習した比例・反比例や中学3年で学習する相似な図形などを理解する前提として必要な比が小学6年の学習範囲にもかかわらず出題されたことが挙げられる。

入試への影響

「資料の活用」、「関数」の分野の問題において多く見られるように、我々の実生活におけるいろいろな事象を数学的ものの見方、考え方で捉え、問題解決できる能力を必要とする問題の出題頻度がますます高くなることが予想される。

大設問
(合計 36)
出題内容(分野) 分析
第1問
(4)
比、正の数・負の数とその計算
(数と式)
比の性質、正・負の数の四則計算についての理解、正の数、負の数の意味が実生活の場面において反映され、関連付けて理解できるかを確認する問題であった。
第2問
(4)
文字式の計算とその利用
(数と式)
文字式の計算の仕方、数量を文字式で表す、等式の性質を利用した等式変形の理解、文字を用いた式で数量関係を説明できることが理解できているかを確認する問題であった。
第3問
(4)
方程式の解き方とその利用
(数と式)
一次方程式の解き方、連立二元一次方程式の解き方が理解できているか、また、文章から数量関係を捉え、連立二元一次方程式を作ることができるかを確認する問題であった。
第4問
(2)
垂線の作図、平行移動
(図形)
直線上の点を通る垂線の作図方法の根拠が図形の対称性にあることが理解できているか、平行移動の性質を理解し、それに基づき、平行移動した図形をかくことができるか確認する問題であった。(1)はH20年度数学A大設問4(2)と同一の問題。
第5問
(4)
空間図形における直線と平面の位置関係、空間図形のでき方、投影図
(図形)
空間図形における直線と平面の垂直な関係、回転体のでき方、与えられた投影図からの空間図形の読み取り、錐体の体積の求め方が理解できているかを確認する問題であった。
第6問
(2)
平面図形の基本的性質
(図形)
平行線と角の性質、多角形の内角の和の性質が理解できているかを確認する問題であった。
第7問
(3)
記号表記、三角形の合同、平行四辺形の作図
(図形)
記号で表されたひし形の性質を読み取ることができるか、三角形の合同条件を理解しているか、作図の根拠として考えられる平行四辺形になるための条件が理解できているかを確認する問題であった。
第8問
(1)
証明の必要性と意味
(図形)
ある事柄を証明するには実測による帰納的な方法による説明ではなく、演繹的な推論による証明が必要であることが理解できているかを確認する問題であった。
第9問
(1)
関数の意味
(関数)
関数の定義を理解しているかを確認する問題であった。
第10問
(3)
反比例のグラフ、グラフ上の点、変域
(関数)
反比例のグラフの特徴、グラフ上の点の座標の求め方、比例のグラフからxの変域をもとにしたyの変域の求め方が理解できているかを確認する問題であった。
第11問
(1)
一次関数
(関数)
xの値とyの値の対応表から一次関数の関係にあるxとyの関係を式に表すことができるかを確認する問題であった。
第12問
(2)
グラフの読み取り
(関数)
時間と道のりの関係を表すグラフで、グラフの傾きが速さを表していることが理解できているか、また、与えられた時間における道のりを読み取ることができるかを確認する問題であった。
第13問
(1)
二元一次方程式のグラフ
(関数)
二元一次方程式の解を座標とする点の集合は、直線として表されることを理解できているか確認する問題であった。
第14問
(2)
中央値の求め方、度数分布表
(資料の活用)
中央値や度数の意味、求め方が理解できているかを確認する問題であった。
第15問
(2)
確率
(資料の活用)
起こり得る場合を順序良く整理し、場合の数を求めることができるか、確率のもつ意味が理解できているかを確認する問題であった。(2)はH19年度数学A大設問14(1)と同一の問題。

数学B・活用

分析科目

中学校3年生 数学B(主として「活用」に関する問題)

見出し(トピックス)

思考力、判断力、表現力を総合的に問う!

今回の学力調査から読み取れること(方向性や求められる学力など)

既習の数学をもとにして、数や図形の性質を見いだす、日常生活や社会で数学を利用する、数学的な表現を用いて根拠を明らかにし筋道を立てて説明するなど、学習指導要領の改訂において文科省が重視している「数学的活動・活用力」が、ますます強化される方向と考えられる。

分量・形式(従来と比較して)

解答時間:45分大設問:6題小設問:15問
分量・出題形式ともに従来どおりであった。答えの理由、合同の証明など記述量が多かったことも従来どおりであった。

範囲・分野・内容(従来と比較して)

内容的には数を題材にした説明問題や図形の証明問題、答えの理由、考え方など根拠や論理的な思考を記述させるものが出題された。また、従来どおり、数学Aで出題された内容(大設問2(4))と同じ題材で、実際に説明させたり、発展的に考え、予想した事柄を説明できるかどうかを問う問題が出題されている(数学B大設問2)。これは身につけた知識を具体的問題解決にあたり、十分活用できるかを測る意図であると考えられる。なお、昨年度姿を消した図形問題で関数関係をとらえさせるような、分野をまたいだ内容の出題が復活した。

入試への影響

近年の入試で見られるようになった実生活における事象(例えば、今年度の学力調査数学Bにおける大設問1のプロジェクター、大設問3のポップアップカード、大設問5の落とし物調査など)を題材にして、数学的なものの見方や考え方を問う出題が今後も増えていく傾向にあると思われる。

大設問
(合計 15)
出題内容(分野) 分析
第1問
(3)
事象の図形的な考察と問題解決の方法
(関数)
(1)与えられた情報から必要な情報を取り出し、2つの数量の関係を式に表すことができるかを問う問題であった。
(2)与えられた情報から必要な情報を取り出し、それを的確に処理することによって得られた結果を、事象に即して解釈することができるかを問う問題であった。
(3)与えられた事象の式の意味を理解し、その結果について数学的な表現を用いて説明することができるかを問う問題であった。
第2問
(3)
構想を立てて説明し、説明を振り返って発展的に考えること
(数と式)
(1)問題の例示に従って、整数に関する事柄の予想が成り立つことを確かめるための式を作ることができるかを問う問題であった。
(2)整数に関する事柄を構想を立てて説明することができるかを問う問題であった。
(3)(2)の説明を振り返り、その過程で見いだした事柄や説明された事柄を用いて、新たに整数に関する事柄について説明できるかを問う問題であった。
第3問
(2)
事象の図形的な考察と問題解決の方法
(図形)
(1)平面図形と空間図形を関連付けて考察し、その特徴を把握することによって、問題解決を図ることができるかを問う問題であった。
(2)(1)で考察した結果をもとに、問題解決の方法を図形の性質を用いて、数学的に説明することができるかを問う問題であった。
第4問
(2)
証明を振り返り、発展的に考えること
(図形)
(1)証明を振り返り、合同な図形の性質の理解をもとに、新たな性質を見いだすことができるかを問う問題であった。
(2)(1)の証明の過程で見いだした事柄や証明された事柄を用いて、変更された条件の図形について新たな証明ができるかを問う問題であった。
第5問
(3)
情報の適切な選択と判断
(資料の活用・数と式)
(1)与えられた情報から必要な情報を的確に取り出し、問題解決を図ることができるかを問う問題であった。
(2)資料から読み取れる傾向を的確に捉え、判断の理由を数学的な表現を用いて、説明することができるかを問う問題であった。
(3)調査結果を振り返って立てた問題を解決するための対策を数学的に表現し、その意味を的確に解釈することができるかを問う問題であった。
「OECD生徒の学習到達度調査」2003年度問題(テストの点数)と類似問題
第6問
(2)
関数の視点からの図形の考察
(図形と関数の融合)
(1)与えられた式や表から2つの数量の関係を捉えることができるかを問う問題であった。
(2)図形の性質を2つの数量関係に着目して、問題解決の方法を数学的に説明できるかを問う問題であった。

理科

分析科目

中学校3年生 理科

見出し(トピックス)

教科書の内容に基づく基本的な出題、実験・観察に基づいた思考力が試される問題。

今回の学力調査から読み取れること(方向性や求められる学力など)

教科書レベルの基本的な知識を測る問題もあるが、実験・観察を通して考察する問題も多かった。さらに、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物を加熱したときの化学変化に関する実験、容器に入れる水の量を変えたときの音の高さに関する実験、キウイフルーツのタンパク質消化酵素に関する実験、ハゼ・フナ・ナマズのえらぶたの開閉回数と水温の関係に関する実験など、幅広い分野から教科書にはない実験を示され、思考力を試された。特にこれらの実験において、自ら条件を設定、計画し、実験結果を予想したり読み取ったりする力が試された。

分量・形式・内容(従来と比較して)

解答時間:45分大設問:8題小設問:25問
選択式が16問、記述式が7問(文章記述が5問)、計算問題が2問

範囲・分野(従来と比較して)

中学2年までの内容。

入試への影響

教科書にはないような実験が示され、その実験結果から結論を推測する問題が出される可能性もある。

大設問
(合計 25)
出題内容(分野) 分析
第1問
(7)
塩化ナトリウムの化学式、炭酸水素ナトリウムと硫酸ナトリウムの溶解度、二酸化炭素の捕集、炭酸水素ナトリウムの分解、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の反応
(化学)
(1)(2)は、中学1年で学習したものの溶け方に関する計算問題、(1)は、中学2年で学習した塩化ナトリウムの化学式、(3)は、中学1年で学習した二酸化炭素の性質に関する記述問題、(4)~(6)は、中学2年で学習した炭酸水素ナトリウムの熱分解や炭酸水素ナトリウムとクエン酸の化学変化の実験に関して、グラフを読み取る思考力を試す問題。(1)はH.24中学理科 大設問4で課題となった問題である。
第2問
(4)
風力、風向、雲の発生、大気圧と高度
(地学)
(1)(2)は、中学2年で学習した天気記号・雲の発生に関する知識問題と記述問題、(3)は、中学1年で学習した上空の気圧と飛行機内の菓子袋のふくらみの関係を推測する問題。
第3問
(2)
湿度、上空と地上の気温差
(地学)
(1)は、中学2年で学習した湿度と露点・気温の関係、(2)は、中学2年で学習した天気に関して、一定の時間に多くの雨が降る条件「上空と地上の気温差」による違いを調べる対照実験に関する問題。
第4問
(2)
凸レンズによる実像、厚さの違う凸レンズによる実像
(物理)
(1)は、中学1年で学習した凸レンズとスクリーンの距離と像の大きさの関係、(2)は、中学2年で学習した「目のレンズが網膜上に像を結ぶしくみ」を調べるために必要な条件を考える問題。
第5問
(2)
抵抗の大きさ、電磁誘導
(物理)
(1)は、中学2年で学習したオームの法則に関する計算問題、(2)は中学2年で学習した電磁誘導に関する記述問題。(1)はH.24中学理科 大設問2で課題となった問題である。
第6問
(2)
音の波形と高さ、音の高さと空気柱
(物理)
(1)は、中学1年で学習した音の波形と音の高さに関する知識問題、(2)は、中学1年で学習した太さが同じで高さが違う容器に水の量を変えて入れたときの音の高さの違いに関する思考力を試す問題。
第7問
(3)
デンプンの消化、キウイフルーツによる消化
(生物)
(1)は、中学2年で学習したデンプンの消化に関する知識問題、(2)(3)は、中学2年で学習した消化に関して、キウイフルーツのタンパク質消化酵素の実験に関する思考力を試す記述問題。 (2)はH.24中学理科 大設問1で課題となった問題である。
第8問
(3)
セキツイ動物、えらぶたの開閉回数
(生物)
(1)は、中学2年で学習した動物の分類に関する知識問題、(2)(3)は、中学2年で学習した動物に関連して、えらぶたの開閉回数と水温の関係に関する思考力を試す記述問題。
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