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カンボジア教育支援活動現地支援報告(2005年2/14~21)

2005年「2月報告」

2005年2月に第5回教育物資寄贈を行いました。活動の様子とカンボジアの現状を報告します。

カンボジアの発展状況

建設されるショッピングセンター建設されるショッピングセンター

昨年の報告でもあったように、カンボジアの首都プノンペンは、近代化に向けて発展しています。近代的なビルや新しいショッピングセンターなど。その発展の陰には、外資や華僑の一部など、一握りの富裕層が関与していることは否定できませんが、年を追うごとに発展しています。

それに比べ、農村部は日本では一般的なインフラすら整備されず、都市部との乖離は進むばかりでした。しかしながら、カンボジア・日本友好学園のあるプレイベン州にも、電気がやってくることになりそうです。

ベトナムから電気がやってくる?

ベトナム側には、電線が見えるベトナム側には、電線が見える

ベトナムからもうすぐ国境を越えて、電気がやってくるそうです。私たちが訪れた後、2/28日に、政府間協議が行われるとのことを国境の町の人から聞きました。合わせて、学校の前も通っている道の拡張と舗装工事が行われる予定です。ベトナムーカンボジア間の物流もスムースにできるようになり、経済の発展に寄与することになるでしょう。

電気が来た村の生活はどう変わっていくのか?私たちには想像すらできませんが、様々なことが変わっていきそうです。

教育支援物資の寄贈

バイクにリヤカーを繋げてバイクにリヤカーを繋げて

ピアニカを楽しむ生徒達ピアニカを楽しむ生徒達

今回の輸送に当たっては、廃棄処分料と輸送費のバランスを検討し、全国の塾生・教職員の協力で集められた文具や本、および、旧豊橋校から不要となった生徒用机・椅子1000セットや黒板5枚などを輸送。コンテナ4本が2月16日にカンボジア・日本友好学園に到着しました。

カンボジア・日本友好学園も、まだまだ不足しているものが多い状況ですが、近隣の学校はもっと厳しい状況です。机や椅子がないばかりか、校舎すらなく青空授業を行わざるを得ないところが数多くあります。そこで、今回の輸送物資は、その大半を近隣の小中学校に寄贈しております。学校の数に対して、決して潤沢とはいえない物資量ですが、もっとも遠方の学校は2日かけて、物資を取りに来られるなど、非常に多くの方から感謝されました。

なお、今回ピアニカ(35台)をもっていきました。音楽の授業はまだないカンボジアの教育環境ですが、生徒には大変好評で、ピアノが演奏できる生徒が先生役となって、みんな楽しそうに演奏していました。

卒業資格試験を控える12年生

12年生の授業風景12年生の授業風景

生徒達の住んでいる家生徒達の住んでいる家

さて、今年は第1期生である12年生が卒業を迎えます。カンボジアでは、高校卒業試験に合格しなければ、卒業資格は得られません。8月に高校卒業資格試験を受験し、合格すれば高校卒業と同時に大学に入学する資格が得られます。しかし、合格率はカンボジア全体で20%程度、農村地域の学校の合格率はさらに厳しく、比較的学業優秀な友好学園でも、合格の可能性のある生徒は10名程度と見込まれます。(12年生在籍143人中)

合格者は成績によってA~Eにランク分けされ、入学できる大学と授業料がほぼ決まります。Aランクであれば、大学の授業料は免除。Bランクで半額とランクごとに優遇措置が無くなっていきます。実際には、都市部(主にプノンペン)の高校出身者がA~Bランクを占めてしまうため、友好学園の生徒は、Cランク~を狙うことになります。授業料は国立大学で年間400US$ほどですが、首都プノンペンでの生活費を含めると年間1,000US$は必要になります。農村の年収(300-500US$)を考えるとそのお金を支払える生徒はほとんどいません。

一方、卒業試験に合格できない生徒は実家に戻って農業の手伝いをするか、都会にでて肉体労働などの職を探すことになりますが、その職を得ることすら難しいのが現実です。

こうした厳しい環境でも、学校で学ぶことの重要性が広く認知され、卒業後の様々な進路で、身についた広い視野や判断力、倫理観などが活かされて、カンボジアの発展に貢献できる世代が巣立っていくことを願って止みません。

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  • [連載]「河合塾にフォーカス