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河合塾フォーカス

河合塾グループの取り組みに焦点をあててご紹介するページです。

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生徒一人ひとりに最適化した指導で思考力を育成するAI活用型の個別適応学習 Qubenaが開智中学・高等学校に導入されるまで

河合塾と(株)COMPASSが提供するAI教材『Qubena(キュビナ)』。高精度AIと河合塾の指導ノウハウが融合したアダプティブラーニングが埼玉県有数の進学校である開智中学・高等学校に導入。その背景と効果に迫ります

中学・高校の1,600名以上がタブレットで数学を学習

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さいたま市岩槻区にある開智中学・高等学校は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士が名誉学園長を務める私立中高一貫校。平和で豊かな世界の実現に貢献する、創造力・発信力・コミュニケーション力を持った国際的なリーダースペシャリストの育成をミッションに掲げ、知的好奇心をはぐくむ教育を推進している。

近年、同校がとりわけ力を注いできたのが、教育のICT化だ。校内はWi-Fi環境が整い、生徒は1人1台のタブレットを持ち歩いて、授業に家庭学習にと活用している。その同校が数学用アプリとして採用したのが、株式会社COMPASSと学校法人河合塾が提供するAI型タブレット教材「Qubena」だ。現在は中1〜3および高1の全生徒と高2の一部生徒が「Qubena 小学算数・中学数学*」と「Qubena 高校数学ⅠAⅡB by 河合塾」を利用して数学の学習に取り組んでいる。

*「Qubena 小学算数・中学数学」は株式会社COMPASSの商品です。

解答プロセスを重視した学びを「Qubena」でかなえる

AIが一人ひとりの理解度を判定し出題

「Qubena」の特長は、AI(人工知能)が生徒の解答プロセスにかかわるさまざまな情報を収集・蓄積・解析して、一人ひとりの習熟度に応じた設問を出題する点だ。それによって生徒は効率よく学び、内容を着実に習得することができる。

開智中学・高等学校で「Qubena」を採用する決め手となったのは、教員側で解答の正誤だけでなく、生徒が記載した途中式を確認できるなど、設問を理解して解答に至るまでのプロセスを重視する内容であったこと。それが、生徒の思考力を養う上でプラスに働くと判断されたのである。そこで同校はトライアルを経て、2020年度よりQubenaの正式導入に踏み切った。

「生徒からは、解説が丁寧なのでわかりやすいし、解答を間違えたときに鳴る音が『ブブーッ』という威圧感のあるものではないので、やる気が削がれないという感想がありました。それにグラフィックも現代的ですよね。生徒たちは生まれたときから電子機器があったデジタルネイティブですから、そのあたりも受け入れやすい理由になっているかもしれません」と、数学担当の江島圭太教諭は説明する。

他の教員からも、「目新しい機器やアプリを用いれば、数学が得意ではない生徒も家庭学習が習慣化できるのでは」との期待があったといい、それも現実になりつつある。江島教諭によれば、「タブレットさえあれば数学の勉強が始められる」という手軽さが、生徒から好意的に受け止められているという。

「テキストやノートを広げる準備がいらないので、紙の問題集よりもQubenaのほうが手が付けやすいというのです。予習・復習に向いていると気がつき、自分から進んで活用している生徒もいて、よい傾向だと思います」と江島教諭。

教員の作業の大幅な省力化が実現

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Qubenaの導入は、生徒だけではなく教員側にも変化をもたらした。授業の準備などの作業負担が大幅に軽減したのである。

「いままでは授業のために事前に作成したプリントを印刷して生徒に配布し、そのプリントを回収して採点等のチェックをするという手間がありました。教員1人が生徒100人ほどの採点を受け持つので、時間も労力も使います。ところが、Qubenaではその多くが自動化されるので、作業にかける時間が従来の4分の1程度に短縮されました。机の上に解答用紙の束が積み上がることもなくなり、気分的にも楽になりましたし、生徒に向き合う時間が増えました」と、江島教諭は笑顔を見せる。

学校全体のこうした変化を、ICT化の旗振り役となった中沢千洋理事長付は次のように説明する。

「当校が積極的にICT化を進めてきたのは、新しい時代に貢献できる人材の育成に力を入れていることが背景にあります。ICT化は国の方針であると同時に、当校の方針でもあるのです」

同校では今後も将来を見据えたICT化を積極的に進め、数学においては基礎的な学力の定着にQubena、発展的な学習にオリジナルテキストや教科書傍用問題集を活用し、生徒の選択コースや習熟度に応じた教育を実践していく予定だ。

オンライン授業に適したQubena

ICT化の推進は、こうした期待通りの効果をもたらしただけではなかった。2020年春、新型コロナ対策のために休校となった際、同校は改めてICT化のメリットを実感したという。

「予想だにしなかった休校ですが、ICT化を進めておいたお陰で、比較的スムーズにオンライン授業に切り替えることができました。保護者の皆様からも、オンライン授業の内容がしっかりしていて安心したという声を聞き、ほっとしました」と中沢氏。

休校中は、教員による授業をWeb配信するだけでなく、複数のアプリを同時に使い、教師と生徒がリアルタイムでコミュニケーションを取ることもあった。江島教諭の場合は、Qubenaの機能を使って生徒に課題を配信するかたわら、別のミーティング用アプリを用いて生徒の質問に答えながら授業を進めたという。

「一般的にオンライン授業では生徒一人ひとりの様子を把握するのが難しいものです。ですが、Qubenaには教員が手元のパソコンの画面で各生徒の解答状況を一覧できる機能があるので、遠隔でも生徒の様子がわかって指導しやすい。また、Qubenaは基礎的な内容が多く、学習のとっかかりに適しています。授業の初めにQubenaによる学習を充て、それが済んだら演習に移るというサイクルで、オンラインでも生徒が授業に集中できる流れを作りました」と江島教諭。

株式会社COMPASSとの共同開発に携わった河合塾高校事業企画部の梅山は、「Qubenaに付属する指導者用管理ツールは、授業での活用がしやすいように設計されているが、結果的に休校時に指導を継続する上でも役立てていただいた」と話す。

将来を見据えたICT化に積極的な同校では、今後さらにQubenaの活用を進めることで、生徒の選択コースや習熟度に応じた教育を目指す。