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河合塾フォーカス

河合塾グループの取り組みに焦点をあててご紹介するページです。

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~チューターが語る「指導」のこれから~|13|『チューター発祥の河合塾』2~変わるシステムと変わらない想い~

河合塾は、1968年、日本で最初に「チューター制度」を導入した大学受験予備校です。現在では、担任制を敷いてる予備校も多くありますが、河合塾では当時から変わらず、塾生との対話を重視して、一人ひとりの塾生にきめ細やかな進路・進学指導を行っています。今も昔も変わらずに、たくさんの生徒を大学へ送り出してきたチューター。今回は、チューターの役割を紐解きながら、世の中の変化・生徒の志向の変化とともに変わるチューターの在り方や、変わらない生徒指導への想いを2回にわたってお伝えします。2022年02月21日公開

第2回目は、世の中や塾生の志向の変化とともに変わる塾生のニーズをどう捉え、指導・アプローチ行うのか、チューターとしての今後の展望を聞きました。

チューターの技量アップを体系的に実施

功刀さん

チューターとしての技量はどんな風に身につけるのでしょうか?

兒山さん:私たちが入社したときは、先輩チューターが頼りでした。先輩が面談している横に座って、見よう見まねで勉強していました。今もそういった現場での工夫はありますが、さらに、2016年から※KCC(河合塾カレッジカウンセラー)制度を導入しています。進路指導に必要な情報が変化するとともに、塾生の志向やキャリア意識も多様化し、より専門的で高度な塾生指導が求められます。チューターとして必要な知識やスキルを認定する制度ですので、これまで以上に積極的に勉強し、自信を持って指導にあたれるようサポートしています。
※これからの塾生指導に必要な専門性や情報力を習得し、河合塾カレッジカウンセラーとして認定する資格制度。

功刀さん:校舎には、いわゆる「トレーナー制度」があります。新卒や中途採用の職員に先輩職員がトレーナーとしてつき、日々の業務の事務的なサポートのほか、学習指導や生徒指導のサポートを行っています。面談のときも、同席したり、パーテーションで区切って見えないところで聞いてもらったりしています。

兒山さん:最近は、校舎内での研修に関して、校舎任せにせず、本部が全面的に関与していくことが多くなりました。できるだけ早く一人前のチューター、より優れたチューターになってもらうために、全国的、校舎横断的な研修の仕組みをつくっています。

功刀さん:津田沼校では、職員が生徒役になって行うロールプレイングを何度も行っています。周囲のスタッフから見ても「大丈夫」だと確信が持てて、初めて生徒の対応に当たらせることにしています。

チューターに必要な能力は「聞き出す力」

兒山さん

チューターになるのに必要な能力で大切なものとは何でしょうか?

功刀さん:基本的には「塾生の話を聞き出すことができるか」を重視しています。河合塾には年間の指導計画「チューターズガイドブック」や「サクプロ(サクセスプログラム)」があり、チューターもそれに沿って指導を行いますが、生徒の状況は一人ひとり違いますから、まずは何を望んでいるのか、どんな課題を抱えているのかを聞き出せるようになることが最初の一歩だと思います。

兒山さん:河合塾の年間指導計画である「チューターズガイドブック」の内容を理解したうえで、個々に応じて対応できる能力が必要でしょうね。そのためには、講師に話を聞くことも大切ですし、受験時のリアルな気持ちをわかっている学生チューターに話を聞くことも大切だと思っています。それが塾生への的確なアドバイスにつながるからです。

功刀さん:そうですね。たとえば東大を受ける塾生には「東大生チューターにこの時期にどんな問題を解いていたか」等の情報をもらい、去年の生徒の例を出しながら合格までのストーリーを話すこともあれば、講師に塾生の答案を見せながら、合格までの一押しとして添削やアドバイスを直接してもらうことも多くあります。講師や学生チューターなど、いろいろな人から話を聞いて情報を共有・活用できることが、河合塾の強みなのかなと思っています。

システム導入で、よりきめ細かなサポートが可能になる

大学入試の姿が変わってきていますが、塾生の変化を感じことはありますか?

功刀さん:大きく変わった感じはしませんが、ICTツールや映像授業に抵抗感がない塾生が増えている気はします。また、現役志向はずいぶん強くなっていますね。高卒生の場合は、合格した大学はあってもさらに上位大学をめざす上昇志向を持った塾生と、そうではなくどの大学にも合格できなかった塾生とに二極化している気がします。ですので、学習習慣の手当ては今後も大きな役割を持つことになるでしょうね。

兒山さん:人口減により現役志向は高まっています。かつての予備校のように、人気講師のもとに100人も200人も集まるというよりも、一人ひとりに応じた指導や個へのサポートを求めるニーズは高くなった気はしますね。また、学び方が多様になり、動画やアプリといったサービスも増えています。選択肢が増える分、どれを選んで良いかわからない、どう学んでいいか悩んでしまうといった声は以前よりも聞こえてくるようになりました。

エビデンスに基づいた指導をオール河合塾で

そうなると、チューターの役割も変化するのでしょうか。

兒山さん:河合塾でも映像授業配信や、ICTツールの活用が進んでいますが、大切にしているのはやはり対面での学びであり、その裏には「講師もチューターも、生徒や保護者にきちんと向き合いたい」という思いがあります。今後も補完的に対面以外の授業形態を活用することはあっても、チューターが行う学習アドバイスや進捗管理は、これまで以上にきめ細かく行い、合格に寄与するという根本は変わらないでしょうね。

功刀さん:学習の進捗管理やサポートという役割自体が大きく変わることはないと思いますが、チューター自身のスキルアップとか、塾生指導にかける時間をもっと増やしていくべきだろうとは考えています。以前は計画を一緒に立てて、サポートしていく。後ろから支えるというイメージでしたが、今求められているのは、立てた計画を日々進捗管理していような併走や引っ張っていくイメージ。その中で塾生自身が自走できる状態となっていくことが理想ですね。
その意味で、2022年度から全校舎で導入する「スタディプラス」といったアプリは、従来塾生が来校したときに行ってきた学習の進捗管理を、アプリ上で随時行うことを可能にしたので、よりきめ細かなサポートにつながると思っています。
また、Webから講師に個別学習相談ができるオンラインサービスも始動していて、活用が拡大していますね。
システムはあくまで手段ですが、効率化することで、より塾生に還元できることが多くなります。

兒山さん:そうですね。1968年からチューター制度を導入している河合塾には、指導のポイントや理念は暗黙知として脈々と受け継がれています。これまでアナログで行ってきた経験値や知識の蓄積を、システムを活用することにより、チューターの経験のみによらず、エビデンスを持ったより良い指導の実現をめざしています。
これまで河合塾が大切にしてきた指導に加え、デジタルトランスフォーメーションのなかで、指導の蓄積を集合知に変えて、さらに進化した指導をオール河合塾として推進していきたいと考えています。

受験はあくまで通過点!その後の未来を描ける大人に!

兒山さん

最後に、受験生やその保護者に一言お願いします。

兒山さん:新型コロナウイルスの影響などもあり、大学生の生活や学習も一変しています。このような時代だからこそ、安易な進路選択は避けてほしいと思っています。よく考えずに妥協してしまうと、大学での学修や社会に出てからの活動に影響が出るかもしれません。自分が未来にどうなりたいのか、何をやりたいのかをしっかり考えてほしいですね。河合塾ではそういう進路選択のサポートも行っていますし、その後の受験にも対応できますから、安心して河合塾に来てください!

功刀さん:大学受験の場合、学力によって合格ラインがわかるため、そこから逆算して力をつけていくことになます。この「ゴールから逆算して目標に達する」いう経験は、頑張りの証であり、その後の人生で必ず生きていきます。その経験ができるのが河合塾ですから、学力アップだけでなく、学習習慣付けや社会人として生きる能力を身につける場としても、河合塾を活用してください。

終わり。
前半パート(第1回目)では、河合塾における「チューター」とはどのような存在なのか、チューターの役割を紐解いています。ぜひご覧ください。

<プロフィール>
■功刀 亮(くぬぎ りょう)
学校法人河合塾 津田沼校 校舎長。2007年入塾。茨城県の高校営業を担当し、模擬試験の促進や活用、高校講演などを通して、学校現場の課題解決に取り組んだ。2011年より麹町校に配属。以後、津田沼校・新宿校での生徒指導経験を経て、2021年より現職。生徒指導、募集業務にあたっている。

■兒山 泰久(こやま やすひさ)
学校法人河合塾 教務企画部 高卒生教務チーム チーフ。2007年入塾。校舎でのチューター業務に携わり、2018年より教務統括部にて現役生・高卒生のカリキュラムの設計に従事。2021年より現職。高卒生へ新たな教育サービスを提供するべく、日夜取り組んでいる。