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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.18 (2009年10月公開)

  • その他
  • MEPLO
東京大学大学院生 村岡 聖子さん・七野 悠一さん

物事の本質や論理を追求する<br />MEPLOでの学習方法が<br />現在の研究生活にも役立っています。

  • 東京大学
    大学院生

    村岡 聖子さん

    出身コース
    MEPLO
  • 東京大学
    大学院生

    七野 悠一さん

    出身コース
    MEPLO

少人数指導が魅力的なMEPLO

・・どんなきっかけでMEPLOに通うようになったのですか。

七野 高校1年になったら塾に通おうと考えていました。MEPLO塾生の友人から紹介されて春期講習を受講したところ、数学の授業に衝撃を受けたのです。数学をあれほどまで熱く語る講師にそれまで会ったことがありませんでした。他の塾も回りましたが、結局、その授業が決め手になりました。

村岡 以前は個別指導の塾に通っていたのですが、入試に関する情報力や進路指導の点でやや不安がありました。学校で全統模試を受験し、充実した情報誌の事も知っていたので、河合塾にかえようかと思っていました。そんな時、中高一貫校の進度に合わせたカリキュラムでやっているMEPLOの存在を知りました。高校1年の冬期講習に参加したのですが、入塾選抜テストに落ちてしまったので、3学期からは通うことができませんでした。そのことで、かえって奮起して勉強し、高校2年の春期講習から通うことができました。

・・MEPLOでよかったなと思うことはありますか。

村岡 少人数で先生との距離感が近いことですね。授業でわからないところもすぐに質問できる雰囲気があります。MEPLOは「東大現役進学塾」ということもあり、ピリピリしている塾生が多いのではないかと心配していましたが、少人数制なので、皆、高い目標を持ちながらもアットホームな感じで、とてもよかったですね。

七野 同感です。ビルのフロアを使ってこじんまりとやっている教室なのですが、実は河合塾だというところがとても大きいのです。模試を受けられたり、それまでに蓄積してきた膨大なデータの提供を受けることができたりと、情報の河合塾と言われる“おいしいところ”を、少人数制の教室で得られるメリットを感じました。

村岡 現役の東大生が「大学生フォロー」として私たちの塾生活の面倒を見てくれる機会があったこともよかったですね。大学生フォローはMEPLOの出身者なので、同じ環境で学び、現役合格した先輩たちの経験から学ぶことができます。丁寧な添削や温かいコメントなどの教科指導面のほか、「解答用紙を区切って使うといいよ」といった受験上の具体的なアドバイスもしてもらえました。

・・印象に残っている授業や先生の一言などはありますか。

七野 やはり数学の授業ですね。「数学は言語だ」とおっしゃったのを覚えています。定義を大切にして、そこから論理的に導いていく姿勢は、MEPLOの授業から学びました。

村岡 私は、英語の授業でネイティブの先生から教わったことが印象に残っています。授業中は全部英語でしたし、本物の英語の感覚を味わうことができました。それに、リーディングやリスニングというように、細切れに教えるのではなく、1つの授業の中にあらゆる要素が凝縮されていたので、総合的な英語力が身についたと思います。

七野 少し補足すると、ネイティブの先生は英会話ではなく、普通の英語の授業を教えてくれるんですね。高校3年のカリキュラムだと、東大に受かるようなリスニングやライティングの力を重点的に鍛えるというような授業になっています。先生方は日本語も話せますが、やはり英語を日常的に使っている人から教わる意義は大きいと思います。

自分の将来や勉強したいものをめざして進路選択

・・どのように進路を決められたのですか。

村岡 理系を選択したのは、高校1年から2年になる頃だったと思います。どの教科も等しく興味がありましたし、その時点では成績も差がありませんでした。けれども、将来の職業に直結する学びはどちらかと考えたとき、英数国は職業との結びつきが希薄だと感じ、理系を選択しました。とくに化学を面白いと感じていたことから、理学部化学科をめざすことにしました。

七野 僕は進路選択のときに、将来の職業のことはまるで考えませんでした。文理選択の際も、単純に数学が好きだったので、数IIBまでしかやらない文系ではなく、数IIICまで学べる理系を選択しました。生物に興味があったので、大学でも生物を勉強したいと思い、理系で一般的な「物理・化学」ではなく、「化学・生物」で受験しました。常に自分の学びたいものを選んできたという感じです。

・・進路選択にあたってMEPLOからは何かアドバイスはありましたか。

村岡 チューターや大学生フォローの方からは、折に触れて、励ましのアドバイスはいただきました。模試の結果が良くても悪くても声をかけてくれましたね。とくにセンターリサーチの結果が出たとき、MEPLOのチューターの方から、これまでの力を総合的に考えると、この目標のままで大丈夫だとアドバイスされ、最終的に背中を押してもらったことを覚えています。

MEPLOで“大学的”な勉強ができた

・・現在、どんなことに取り組んでいるのですか。

村岡 微生物が作り出すある物質の喘息に対する作用について研究しています。具体的には、喘息のマウスに多く出ているタンパク質に対して、この物質がどのように作用するのかを調べています。いい実験結果が出てくれれば、新しい喘息薬の開発につながるかもしれません。

七野 僕は基礎研究です。何かに役立つというよりは、なぜこうなっているのか、という自然界に対する好奇心を満たす研究をしています。現在は、酵母菌の減数分裂がテーマです。細胞の分裂には体細胞分裂と減数分裂があって、酵母菌の場合は、栄養が少ないと減数分裂を始めることが知られており、大まかな仕組みもわかっています。しかし、説明が飛躍している部分も多いため、その飛躍を一つひとつ埋めながら、細かなメカニズムを明らかにしたいと思っています。

・・なぜ、そのような研究の道を選ばれたのですか。

七野 高校時代は、実は、応用研究を志向していました。生物学を使って何か新しいことができないだろうかと考えていたのです。ところが大学に入学して生物学を学ぶうちに、わからないことがまだまだたくさんあることを知り、単純にそちらを詰めていかなければならないなと感じたのです。

村岡 理学部の場合、基礎系に進むと、大学の研究者などアカデミックな道に進むという選択肢が大きくなります。私はアカデミアに残るよりは、一般企業で働きたいと思っていたので、応用的な研究の道を選びました。

・・MEPLOで学んだことで現在に役立っていることはありますか。

村岡 高校の教科書は暗記に近い部分がありますが、MEPLOのテキストは論理を重視していましたから、その部分は大学での勉強や研究につながっていますね。

七野 MEPLOの数学のテキストは、本当に数学を理解するためには、必要なものは何でも取り入れるという姿勢で、高校の指導要領にこだわらないところがあります。高校生の時には意味不明な部分も多かったのですが、大学生になってから読み返すと「あっ、全部載っている」という感じです。中高一貫校は論理を重視する教育を行うところが多いのですが、MEPLOの方が数段上を行っており、大学に入学してから役立つ、いわば“大学的”な勉強ができたと思います。

本当に大切なものを見極めることが大切

・・現在は2人とも大学生フォローを務めていますが、どんなことに気をつけて教えていますか。

村岡 大学生フォローと講師の先生方との違いは、塾生と同じ環境で勉強してきた経験者だということです。しかも自分が通っていた塾の後輩に教えるわけですから、現役大学生ならではの視点を生かして、学習面での指導だけでなく、進路面での相談にも応じるようにしています。

七野 この時期に、これくらいの成績をとって、その上でこれくらいの勉強をして合格したという実体験があるため、かなり具体的なアドバイスができますね。また、僕は、大学生フォローになってからは、生物をメインに教えています。生物といっても自分の専門以外のところも多く、教えるにあたっては生物学全体を勉強することになるため、自分の専門を幅広い視点から捉え直すことにつながり、研究が深まるという自分にとってのメリットもあります。

・・最後に、東大をめざす河合塾の後輩たちにメッセージをお願いします。

村岡 受験期は自分を追い詰めることが多くなりますが、精神的に追い詰めたからといって成績が伸びるわけではありません。目標を決め、そのために自分がどこまで伸びればいいかを見定めたら、あとは「私は伸びる」と楽観的に考えて、前向きにやっていった方がいいと思います。受験期だって、人生の中の大切な1年間です。充実して過ごすことを第一に考えた方がいいと思います。

七野 「最終的に東大に合格する」という長期的な目標だけだとつらいので、スパンを短くした短期的な目標を立てることが重要です。何をしたらいいか、ぼんやりと曖昧な状態なまま過ごすのだけは避けた方がいいと思います。

村岡 東大は入試科目数が多く、勉強の負担は大きいと思いますが、東大の友人たちと話をすると、塾通いは楽しかったという人が少なくありません。勉強自体を楽しむという感覚を持つことが必要なのかもしれません。

七野 普段の勉強では、やはり何が本当に大切なものかを考えながら勉強することがポイントになると思います。たとえば数学の場合は、ある一つの事柄を理解しておけば、あとはそこから導いていかれることがとても多いのです。すると、それが本質的なことだということになり、勉強しているうちに学問の階層構造が見えてきます。それが理解できれば、必ず成績は伸びてきます。最も重要なところをおさえれば、労力を最低限にすることもできるのです。そうした学びの方法は、大学受験に限らず、何にでも通用すると思います。MEPLOはそういうところをきちんと教えてくれる塾でもあると思います。

Profile

村岡 聖子 (Seiko Muraoka)

村岡 聖子(Seiko Muraoka)

1986年神奈川県生まれ。湘南白百合学園高校卒。MEPLO横浜教室に高校2年生から通う。東京大学理科一類から農学部に進み大学院に進学。現在、微生物が作り出す物質の喘息に対する作用について研究中。

七野 悠一(Yuichi Shichino)

1987年東京都生まれ。開成高校卒。高校1年生からMEPLO池袋教室で学ぶ。東京大学理科二類に入学。理学部を経て大学院に進学。現在、酵母菌の減数分裂の仕組みについて研究中。

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