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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.79 (2014年10月28日公開)

  • 会社員(金融・商社)
  • MEPLO
  • 高校グリーンコース
三井物産株式会社 食糧本部 穀物物流部 油脂室 森 香奈子さん

東大入試に精通した講師、<br />圧倒的な学力を備えたライバル、<br />親身に相談に応じてくれる東大生フォロー(進学アドバイザー)など、MEPLOには東大をめざすための抜群の環境が整っていました。

  • 三井物産株式会社
    食糧本部 穀物物流部 油脂室

    森 香奈子さん

    出身コース
    高校グリーンコース
    MEPLO

1点でも多く点数を積み上げるために、粘り強くアプローチする姿勢が身についた授業

・・河合塾に通うようになったきっかけから教えてください。

英語が大好きで、将来は海外で活動したいという思いを持っていたので、大学入試のためというよりも、まずは英語力そのものをブラッシュアップしたいと考えていました。そこで、高校1年生の夏から、河合塾の高校グリーンコースで、英語の授業を受講することにしました。

高校2年生になって、東大志望の意思が固まり、他科目の勉強も本格的にスタートさせるために、数学、世界史、地理に関してはMEPLOに通うことにしました。東大合格の目標を達成するためには、妥協せずに、科目ごとに自分に最適な学びを求めることが大切だと考え、2つのコースを併用することにしました。

・・MEPLOの授業の印象をお聞かせください。

森 香奈子さん

高校3年生になると、とにかく難しい内容だったという印象ですが、それが良かったと思っています。なぜなら、東大の数学の入試問題は、一見しただけでは、どこから手をつけていいのかわからないような問題ばかりだからです。日頃、満点がとれるような問題を解いていたのでは、その瞬間はうれしいかもしれませんが、東大入試のような難問への対応力は養われません。MEPLOの授業では、完全な正解にまで到達することはできなくても、どこまで書けば部分点がもらえるのか、まったくわからない際にどうアプローチすれば考えるヒントが得られるのかなどが、きめ細かく指導され、1点でも多く点数を積み上げるために、粘り強く答案を作成する姿勢が身についていきました。

・・どんな形式の授業だったのか、具体的にお聞かせください。

数学は、前回の授業で解いた答案が添削され、それをもとに解説が加えられる「テスト形式」と、与えられた問題を自宅で解き、添削したうえで解説する「課題形式」の授業が中心でした。理解することとその内容を確実に答案に反映させられるかは、また別の話です。テスト形式、課題形式なら、自分の添削された答案を見ながら、どこが不足していたのか、具体的にわかるメリットが大きかったと思います。

・・世界史、地理の授業はいかがでしたか。

世界史、地理も、数学と同様に、テスト形式、課題形式中心の授業でした。東大の世界史、地理の入試問題が、他の多くの大学と決定的に異なるのは、長文で記述させる問題が数多く出題されることです。膨大な知識をインプットすることが大前提ですが、知識を羅列するだけでは得点に結びつきません。習得した知識をもとにして、うまくアウトプットする表現力が要求されます。

・・そのアウトプットの力はどのようにして磨かれていったのですか。

世界史では、講師の方が、いつ、どのような事象が起こったのかを解説される際に、必ずその背景や、他の事象への影響など、歴史の流れや因果関係を重視されていました。縦横無尽に展開される解説に圧倒されることも少なくありませんでしたが、先生は東大の入試問題の作問者がそこまで求めていることを意識することが重要だと伝えたかったのだと感じています。先生の解説を100%吸収できたという自信はありませんが、一つ一つの事象をバラバラの知識として覚えるのではなく、他の事象とも関連づけて因果関係を意識するようになったことで、アウトプットの力が高まっていきました。

一方で、地理の勉強は省エネで乗り切ることにしました。私の母校は、私立文系志望者が多いこともあって、当時、社会はカリキュラム上、一科目しか選択できませんでした。そのため、授業では選択していない地理を独学で勉強する必要がありました。けれども、東大は課される科目数が多いので、地理に労力をかけるゆとりはありません。そこで、地理に関しては、足を引っ張らない程度に底上げできればいいと割り切ることにしたのです。具体的には、教科書や用語集で重要事項を覚えた以外は、MEPLOの授業を信じて、その予習・復習だけは確実に消化するようにしていました。

東大志望者が集結し、切磋琢磨できる刺激的な環境

・・そのほか、MEPLOに通って良かったと感じていらっしゃることはありますか。

森 香奈子さん

同じ東大合格をめざすライバルが集まり、切磋琢磨できる環境が刺激的でした。東大志望者が多くない高校に通っていたので、友人から「成績もいいし絶対東大に合格できるよ」と言われることもありました。おそらくMEPLOに通っていなかったら、「井の中の蛙」になっていた可能性もあります。MEPLOで自分よりも圧倒的な学力を持つライバルに出会い、その差を埋めて勝てるようにならなければ東大には合格できないという明確な指標が見つかりました。負けず嫌いの性格なので(笑)、そこで気後れしてしまうのではなく、絶対にこの差を埋めてやるぞという勉強のモチベーションが高まっていきました。

もう1つ大きかったのが、東大生のフォロー(進学アドバイザー)の存在です。東大のキャンパスライフの話を聞く機会があり、あこがれの気持ちが強まりました。東大生と身近に接することで、東大が遠い夢ではなく、現実的な目標になっていった気がします。

・・フォローに相談して良かったことはありますか。

受験勉強ではつらい、苦しい時期もあります。そんなときにフォローに相談して、「自分も同じようなことで悩んだ」と言われるだけで心が軽くなりました。当時のフォローや仲間たちとは、現在でも食事を楽しむなど、交流が続いています。

また、私自身、東大生時代にMEPLOでフォローを務めました。その際にアドバイスしていたのは、「スランプから這い上がるには、必死で頑張って、点数をアップさせて、結果を残すしかない」ということです。東大をめざす受験生に「頑張っていれば、いつか報われる」といった抽象的な言葉で励ましても効果はありません。シビアなようですが、「次の模試では何点とろう、A判定をめざそう」など、具体的な目標を定めて、それを達成することこそが、モチベーションのアップにつながるのです。

進振り制度のメリットを生かして、東大文科三類から農学部へ進学

・・東大をめざした理由は何ですか。

森 香奈子さん

先ほど申し上げたように、東大の入試問題は、単純な知識量だけで勝負できる問題ではありません。もちろん、圧倒的な知識量を備えていることが大前提ですが、それにプラスしてアウトプットの力が要求されます。その出題形式が私にあっていると思いました。

また、優秀な人材が集う環境に身を置くことで、自分を高められるという期待もありました。実際、東大時代の友人は、法曹界、官公庁、マスコミなど、さまざまな分野に進出し、若手ながら早くも第一線で活躍しています。社会人になった今、あらためて、そうした友人たちと出会い、共に大学生活を送れたことが、今後の大きな財産になると実感しています。

さらに、「進振り(進学振分け)制度」も東大ならではの素晴らしい制度だと思います。東大は、他の多くの大学のような学部ごとの募集ではなく、文科一~三類、理科一~三類と、類ごとに募集が行われます。前期課程の2年間は、すべての学生が教養学部に所属し、3年次からの後期課程で進学する学部・学科は、各学生の希望と、2年次までの成績によって決定します。それが「進振り制度」です。私は、受験するときにセンター試験の成績が足りずに、途中で文科一類から文科三類に志望変更したほどで、入学前に学びたい分野が明確になっていたわけではありませんでした。何となく法学部に進もうかと考えてはいましたが、法学という学問をよく調べていたわけでもなかったのです。そんな私にとって、入学後2年間の教養学部の学びは貴重でした。幅広い学問分野に触れる中で、自分の方向性が見えてきたからです。

・・文科三類から農学部に進学されたのですね。

教養課程で受講した開発経済の授業に興味を持ったことがきっかけです。私は幼少期を香港、上海で過ごし、上海では、高層ビルが続々と建設されて、開発が進んでいく様子を目の当たりにしていました。その経験もあって、アジアの経済発展に貢献できる分野を勉強したいと考えるようになったのです。そこで、3年次から、農学部の農業・資源経済学専修に進むことにしました。文系から理系学部への進学ということで、多くの大学のように転部が必要になり、履修科目が増えて留年を覚悟しなければならないようだったら、二の足を踏んでいたかもしれません。3年次にゼロからスタートラインに立てる「進振り制度」は、私にとってとても魅力的な制度でした。

・・商社への就職を志望した理由は何ですか。

父が商社マンで、幼い頃から海外で活躍している姿を身近で見ていて、素直にかっこいいなと感じていました。また、商社では、相手の思いをくみ取って、調整して、マネジメントする能力が必要になります。そうした業務内容に魅力を感じましたし、私に向いているとも思いました。

・・現在はどのような業務に携わっていらっしゃいますか。

三井物産で、食糧本部 穀物物流部の油脂室に勤務しています。マレーシアやインドネシア原産のパーム油の輸入、三国間取引などが主な業務です。商社の仕事は、原料調達から小売りまで多岐にわたります。女性社員は、女性ならではの感性を生かしやすいことから、比較的小売に近い業務を担当することが多いように感じますが、私は農学部で学んだこともあり、原料に直接関わる業務を希望していました。その希望が叶い、今、とても充実した毎日を送っています。

「結果を出す」ことの大切さは、ビジネスでも受験勉強でも同じ

・・現在の仕事にMEPLOで学んだことが役立っていると感じていることはありますか。

現在の業務でも、厳しい局面を迎えることがあります。私はそんなとき、「必ず収益など目に見える形で結果を出してみせる」という強い気持ちで立ち向かっています。それは、先ほど申し上げたように、「結果を出すことが、モチベーションや次のステップにつながる」ということを、MEPLO時代の経験を通して体得したからだと考えています。結果を出すことの大切さは、ビジネスでも受験勉強でも同じなのです。

・・最後に後輩たちに向けてメッセージをお願いします。

安全志向に走らず、上昇志向を大切にして、ぜひ東大にチャレンジしてほしいですね。もちろん、大学入学前から、自分の中長期的な目標が明確になっていることが理想ですが、たとえそれが曖昧であったとしても、東大には「進振り制度」があり、入学後、皆さんの可能性を広げてくれる教育体制が整えられています。私自身、文科三類から農学部という、少し異色な道筋を選んだわけですが、そんな柔軟性もまた、東大で学ぶ大きなメリットでもあるのです。

そして、MEPLOには、東大入試に精通した講師、圧倒的な学力を備えたライバル、親身に相談に応じてくれる東大生フォローなど、東大をめざすための抜群の環境が整っています。MEPLOを信じて、ぜひ目標を実現してほしいと思います。

Profile

森 香奈子さん

森 香奈子(Kanako Mori)

1989年生。横浜共立学園在学中の高1から河合塾高校グリーンコース横浜校に通塾。高2から東大現役進学塾MEPLO横浜教室に通い、2008年東京大学文科三類に入学。2012年同大農学部 農業・資源経済学専修を卒業後、三井物産株式会社に入社。現在、同社 食糧本部 穀物物流部 油脂室勤務。趣味は旅行・テニス。

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