「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.101 (2018年5月15日公開)
- 教育・研究者
- 会社員(その他)
- 大学受験科
学力を伸ばせたことはもちろん、<br />柔軟な考えを持った多くの仲間に出会えました。<br />
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株式会社日本総合研究所
理事山田 英司さん
- 出身コース
- 大学受験科
英語の授業から文章に向き合う姿勢を教わり、現代文の成績もアップ
・・・河合塾でいちばん印象に残っていることは何ですか。
河合塾の英語講師から「記憶力に頼るのでなく国語のように英語と向き合ったらどうか」と繰り返しアドバイスを受けたことが転機になり、英語への向き合い方が変わりました。単語や熟語を単に暗記するのではなく、文の構造に注目して読み進めていくことで、長い文章もきちんと理解することができるようになったのです。文章の読み方が論理的になったためか、英語だけでなく、現代文の成績も伸びるようになりました。また、私が在籍したクラスには、とても太刀打ちできないと思えるような能力を持った仲間が多く、どういうことを吸収すればよいのか、勉強の息抜きや時間の使い方などを学べたことも含めて、本当に濃密な1年間でした。
河合塾の校舎運営のアルバイトで、社会人1年生の勉強ができた
・・・大学時代の活動について教えてください。
早稲田大学入学直後から、河合塾でアルバイトを始めました。職員が塾生指導に集中できるように、授業や講習の事前準備、授業前は受講証のチェックなど校舎業務の多岐にわたる補助をしていました。当時は受験生が多い時代でしたから、時期により多くのアルバイトがおり、シフトや役割分担については自律的に対応することを求められました。このアルバイトを通して、組織の効率的な運営方法を模索したことが現在の仕事に向かわせるきっかけにもなりました。また、就職してすぐに覚えるべき実務作業を学ぶこともできました。河合塾で過ごした浪人時・アルバイト時に得たものは計り知れません。
建設会社を経て、業界全体に貢献できる日本総合研究所へ転職
・・・卒業後の経緯を教えてください。
不動産法のゼミを学んだ後、不動産や都市開発に興味を持ち、大手建設会社に就職しましたが、バブル崩壊後の厳しい時期であり、様々な事業再編のプロジェクトに従事しました。これらの経験から企業内部での自助努力は限界があり、産業や業界を外部から客観的・俯瞰的にとらえた上で、業界全体の発展につながるような情報発信をしたいと思うようになりました。また、事業や組織の再編、M&Aなども手がけてきた経験から、コンサルティングにも興味が湧いてきました。そこで2001年、業界全体のことを考えることのできるシンクタンク機能と、コンサルティング機能をバランスよく持っている日本総合研究所に転職することにしました。
インフラ産業の活性化支援に加え、行政のアドバイザーとしても活動
・・・現在、力を入れて取り組んでいらっしゃることは何ですか。
大きくは2つの分野に取り組んでいます。1つ目は建設業界も含むインフラ産業の活性化です。日本のインフラの技術パッケージの強みはどこにあり、企業自身はどんなチャレンジをすべきかといった政策提言に関わっていきたいと思っています。2つ目ですが、近年はグローバル化によって企業の経営組織のあり方が変化してきています。コーポレートガバナンスやグループ経営をどう進めるべきかについて、一般論として理論化してみたいと思っていますし、個別の企業の悩みにも応えていきたいと思っています。なお、ガバナンスについては官民連携という観点から民間企業に限定されるものではないと考えており、昨年度から東京都が出資する企業に対し業績評価を通じて経営にアドバイスする委員も務めています。このほか、書籍執筆や講演会などの活動も増やしていますし、8年前から母校の大学院で知的財産に関する非常勤講師として教育活動にも従事しています。
「何者でもない苦しい1年間」をポジティブに捉えよう
後輩へのメッセージをお願いします。
現在は、現役志向が高まっているようですが、それでも志を高く保ち、チャレンジする道を選ぶ受験生は少なくないと思います。浪人というと「何者でもない苦しい1年間」という捉え方をされがちですが、環境をチェンジするのには非常にいい機会です。勉強するのは当然ですが、それ以外にも時間はたくさんあります。私は河合塾の優秀な仲間に触発されて、多くの本を読んで過ごしました。大学に入るまでにさらに1年間のモラトリアムをもらっているとポジティブに捉え、充実した1年間にしてください。
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山田 英司(Eiji Yamada)
1969年大阪府生まれ。埼玉県立川越高校卒業後、河合塾池袋校の大学受験科に通う。1989年早稲田大学法学部入学。在学中4年間、池袋校の校舎運営のアルバイトに従事した。2009年英国国立ウェールズ大学経営大学院(MBA)修了。1993年4月上場建設会社に入社し作業所・関連会社勤務を経験する。2001年株式会社日本総合研究所に入社。インフラ事業やグループ経営、M&Aに関するシンクタンク・コンサルティング活動と併行して技術ベンチャーCFOおよび大学での講師等にも従事。現在、早稲田大学理工学術院非常勤講師および東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会で委員も務める。<br />
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