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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.103 (2018年9月3日公開)

  • 会社員(その他)
  • 河合塾COSMO
愛知中小企業家同友会 事務局員 井上 誠一さん

多彩な「テーマ別ゼミ」を通して<br />社会を見る目が養われたことが<br />現在の仕事にも生きています。<br />

  • 愛知中小企業家同友会 
    事務局員

    井上 誠一さん

    出身コース
    河合塾COSMO

河合塾コスモ主催の講演に感銘を受け、コスモ名古屋校に入塾

・・・コスモに通うようになった経緯を教えてください。

井上誠一さん

地元・広島の高校を中退し、独学で大検(現・高卒認定試験)受験に向けた勉強を進めていました。けれども、独力でするには限界を感じるようになったので、全国の大検予備校に資料を請求しました。送られてきたパンフレットを見て比較検討している中で、コスモ主催の講演会が大阪で行われることを知り、母と一緒に牧野剛先生の戦後補償をテーマとした講演会に参加しました。戦争体験を持つ母は涙を流すほど感銘を受けたようで「社会問題にこんなに真摯に向き合っている先生がいるもとで学びなさい」と強く勧められ、親元を離れてコスモ名古屋校に通うことにしました。

「自由・自主・自律」の精神を尊重

・・・印象に残っている授業はありますか。

井上誠一さん

コスモには「教科別講座」と「テーマ別ゼミ」の2種類の授業があります。私は数多くのゼミを選択しました。大検に直接関係する授業ではないかもしれませんが、将来、社会に出たときに大きな糧になるものを得られるのではないかと期待したからです。斎藤ゼミでは車椅子で街に出て、まだバリアフリーへの配慮がなされていない街中で、障害を持つ方々の苦労を体感しました。宮崎ゼミでは裁判所に傍聴に行き、牧野ゼミでは授業の後も多様な社会問題について夜を徹して語り合ったこともあります。そうしたゼミを通して、現代社会の本質を見極める目が養われた気がします。ただし、先生方は自分の考えを押しつけることはありませんでした。コスモでは「自由・自主・自律」の精神が尊重されており、先生方からよく「どのように考え、行動するかを決めるのは自分自身である。その代わりに、自分が行ったことには責任が伴う」と諭されたことを覚えています。管理されることへの反発から、高校を中退した私にとって心地よい環境でした。
 フェローにもお世話になりました。生活面や勉強方法などで悩みが生じたとき、フェローが的確なアドバイスをしてくれるのは、とてもありがたい制度で、気軽に相談することができました。

テキスト+授業で理解が深まる教育体制

・・・大検の対策指導はいかがでしたか。

井上誠一さん

テキストは、中学レベルの基礎から、段階を踏んで理解ができるように作られています。素晴らしいテキストなのですが、自分の力だけでは分からない部分もたくさんあったのでフェローに相談すると「それが当たり前。テキストで予習して、おそらく多くの生徒が分からない部分を、授業で解説して理解できる教育体制になっているのだから」とアドバイスされました。それからは、しっかり予習して授業に臨むようになりました。今でも当時のテキストは記念として大切に保存してあります。
また、コスモは先生との距離が近く、質問しやすい雰囲気がありました。放課後、自習室で勉強していて、分からないところが出てきた場合は、先生のもとを訪れ、個別指導をお願いしたことも少なくありません。おかげでコスモに入って2年後、大検に合格することができました。

新聞を鵜呑みにせず、自分自身で検証する姿勢が身についている

・・・コスモを修了された後のご経歴を紹介してください。

大検には合格したのですが、父の急死によって、いったん大学進学を断念し、働くことになりました。けれども、私はいわゆるロストジェネレーション世代で、当時は正規雇用が激減していました。数年間のアルバイト生活を経て、2000年4月、愛知中小企業家同友会に入局しました。中小企業が報われる社会の実現をめざす団体です。コスモの学びの影響から、社会性の高い活動への憧れを抱いていたことが、当団体への就職をめざす決め手になった気がします。現在は主に、会員である中小企業の方々対象の勉強会の企画や、当団体の理念の質でもある経営環境改善の活動などに力を入れています。

・・・これまでのご経歴の中で、コスモで学んだことが生きていることはありますか。

「テーマ別ゼミ」を通して、社会を見る目が養われたことが大きかったと思います。それも、自分の目で“検証する”姿勢が身についていると感じています。新聞に書かれているからと鵜呑みにせず、まず、書かれていることは本当に正しいのか、社会はこのままでいいのか、自分の目と頭で検証し、自分の意見を持つ習慣を身につけようと思っています。それが中小企業にとって望ましい社会環境を考える現在の仕事にも生かされています。

Profile

井上誠一(Seiichi Inoue)

井上 誠一(seiichi inoue)

1971年広島県生まれ。河合塾コスモ名古屋校に1992年から2年間在籍。1993年に大検合格。大学進学をめざすも家庭の事情によって断念する。その後、アルバイトをしながら生計をたてている中、かねてから思い抱いていた社会的使命と意義を感じる仕事に出会い、現在の勤務先である「愛知中小企業家同友会」に2000年入局する。以来、中小企業のより良い経営環境づくりのために活動の企画や運営をする縁の下の力持ちとして活躍する。<br />

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