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「私と河合塾」-OB・OGが語る河合塾-: Vol.129 (2022年10月3日公開)

  • 弁護士・公認会計士・税理士
  • 高校グリーンコース
公認会計士 松村貴枝子さん

語学だけではだめだと<br />教えてくれた<br />河合塾の講師のおかげで<br />現在の自分があります

  • 公認会計士

    松村 貴枝子さん

    出身コース
    高校グリーンコース

進路を決める言葉に出会えた

・・・河合塾で印象に残っている授業はありますか。

最も印象に残っているのは世界史の授業です。授業の内容というよりは、講師の言葉が強烈だったからです。その講師は、幅広く学ぶことの大切さを熱く語り、語学中心の外語大よりは東大を強く勧めていました。ところが、前期試験の東京大学に落ちてしまい、後期試験で東京外国語大学に出願しました。
結局、東京外国語大学に入学することにしましたが、その講師の言葉が頭に残っていたため、語学だけに頼らないようにしようと、入学してから公認会計士の勉強を始めることにしました。語学はもちろん、公認会計士としてのスキルを生かして仕事をしているわけですから、結果的にその講師の言葉が進路を決めてくれたようなものです。

ダブルスクールで公認会計士試験に合格

・・・東京外国語大学では、どのような活動に力を入れたのですか。

松村貴枝子さん

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂(ヨーロッパ三大聖地のひとつ):サンティアゴ・デ・コンポステーラに留学中

話者の多いスペイン語学科を選択し、2年次からは公認会計士の資格試験予備校に通うことにしました。大学ではスペイン語の勉強、大学の授業のない朝と夕方は専門予備校で公認会計士の勉強というダブルスクールの日々を送りました。
2年次の秋になると、まわりの学生はほとんどスペインや中南米などに1年間程度の留学に出かけます。しかも、帰国直後の就活を避けるため、多くは1年間休学して留学します。そこで、私も同じタイミングで大学を休学し、公認会計士の勉強に専念することにしました。河合塾時代から短期集中型の勉強が性に合っており、20分間の昼寝以外は1日15時間くらい勉強するというスタイルで、12月の1次試験、8月の論文試験を経て、公認会計士試験に合格することができました。復学まで数か月間あったので、スペインに留学し外大生らしい生活も満喫しました。日本人の少ないサンティアゴ・デ・コンポステーラという街に行き、色々な人種の友達ができました。

自分のやりたいことが実現できる場所を求め続けた

・・・卒業後のお仕事について教えてください。

松村貴枝子さん

ウユニ塩湖(南米・ボリビア):メキシコ駐在中に、「天空の鏡」と形容される絶景のウユニ塩湖を旅行しメキシコの国旗を発見

スペイン語も英語も通常のコミュニケーションにはまったく困らないものの、通訳や翻訳などプロレベルのスキルは身につかなかったため、語学を武器にする職業ではなく、公認会計士の資格で就活することにしました。ただ、公認会計士で語学に強い人は少ないため、就活の際は英語とスペイン語ができることは大いにアピールしました。
4大監査法人の1つである監査法人に入社後は、金融機関の監査を担当する部署に配属され、業務を通して英語力をかなり鍛えることができました。しかし、せっかく学んだスペイン語を生かす機会がありません。金融機関担当ですから、駐在先も英語圏の大都市しかありません。そこで、監査法人を辞めて、再び就活することにしました。
ちょうど、日系のメガバンクがメキシコでの支社立ち上げメンバーを募集していることを知り、応募すると、二つ返事で入社が決まったため、メキシコに向かいました。ところが、メキシコ政府からなかなか開業許可が降りず、何も仕事がありません。先の見通しも立たなかったことから、メガバンクを退社し、元々いた監査法人のメキシコオフィスに問い合わせて、現地採用してもらうことにしました。
ようやく、スペイン語圏での仕事ができたわけですが、当初からスペイン語圏は2~3年の経験の予定だったため、そのタイミングでメキシコオフィスを辞めて日本に戻りました。

会計士の業務よりも、グローバルな活動に重点をおきたい

・・・現在のお仕事と、今後の抱負をお聞かせください。

松村貴枝子さん

帰国後は、再び古巣の監査法人で非常勤勤務をする傍ら、ベンチャー企業のコンサルのような仕事をしたりしていましたが、メキシコ時代に知り合った別の監査法人の駐在員の方が帰国してから連絡をくれ、熱心に誘ってくださったため、その方のいる監査法人に入社し、今に至っています。
現在は、日本や海外の企業の上場支援や、海外に子会社を設立する際の体制づくりや仕組みづくりの支援などに携わっています。こうした業務をしていると、メキシコ時代に比べて日本経済は成熟していて、保守性や成長スピードの遅さを実感しますが、それでも日本企業と二人三脚で新たなチャレンジをすることで、日本経済の盛り返しに貢献できる喜びを感じています。
今後は、日本語、英語、スペイン語を駆使しながらいろいろな国をまたいで交流できる仕事をしたいと思っています。国際機関や、発展途上国の支援をするベンチャー企業などにも興味があり、会計士や監査の仕事にとらわれず、グローバルな活動をしていきたいと思っています。

Profile

松村貴枝子さん

松村 貴枝子(Kieko Matsumura)

1988年埼玉県生まれ。筑波大学附属高等学校在学中に、河合塾池袋校の高校グリーンコースに通い、東京外国語大学言語文化学部スペイン語専攻に現役合格する。大学在学中に公認会計士の資格を取り、卒業後は大手監査法人にて金融機関の監査を担当する。2016年から2018年はメキシコに駐在し、日系金融機関の現地法人の立ち上げ、アドバイザリーなどに従事。帰国後、グローバルに展開する会社へアドバイザーや業務改善支援などに携わっている。

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