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中日新聞・東京新聞に河合塾によるコラムが好評連載中!

2021年12月22日

中日新聞・東京新聞の「受験道」に、大学受験をテーマとしたコラムが連載されています。
本連載では、河合塾スタッフが受験生やその保護者様に向けて、大学受験に役立つ情報をお届けします。

「受験道(12月掲載号)」~地元・安全志向に変化~

地元・安全志向に変化

9月の本稿で夏休みの模試から見た入試動向をお伝えしました。今月は秋に実施した「第3回全統共通テスト模試」(受験者数約25万人)から見た最新の入試予想をお伝えします。というのも、この数カ月で受験生の動きにやや変化がみられるからです。年明けの出願に向けて参考にしてもらえればと思います。

▼まず、昨年度入試で顕著だった「地元志向」「資格志向」「安全志向」のうち、「地元志向」と「安全志向」が弱まっています。首都圏と関西の難関私大を志望する地方の受験生が増加し、「早慶上智」「MARCH」「関関同立」などは志望者が増加傾向です。特に共通テスト利用入試に人気が集中しています。昨年度は実施初年度だったことに加え、コロナ禍での受験に不安を抱いた受験生に敬遠された共通テストですが、2年目となり学習対策もコロナ対策もいい意味での慣れが出てきたのではないでしょうか。逆に言えば、これらの難関大でも一般方式の志望者が減少している大学が目立ちます。第1志望大であれば、一般方式をメインにワンランク目線を上げて受験計画を立て、共通テスト利用入試をサブで、という作戦も大いにありです。

▼次に「安全志向」の弱まりです。国公立の難関大、具体的には北海道大、東京大、一橋大、京都大、大阪大といった旧帝大クラスの志望者が増加傾向を示しています。中には昨年よりも2割以上、志望者が増加している学部も。受験生のチャレンジ志向が高まっています。学部系統別の志望を見ても、医学科、薬学部、獣医など難関資格学系が人気上昇です。一方、名古屋大は難関大の中ではそれほど志望者が増加していません。名大志望者にとってはある意味チャンスと言えます。

▼年明けの共通テストは昨年より難化する可能性もあります。仮に目標点に届かなくてもすぐに志望校をあきらめないこと。冷静に自分の位置付けを自己採点集計で確認し、出願校を決めましょう。これから2次試験までの2カ月余りは、これまでの学習の積み重ねが一気に芽を出す期間。努力は必ず報われます。自分を信じて残りの受験生生活を乗り切りましょう。

※ 本文は12月08日付の中日新聞に掲載された寄稿内容です。

執筆者のプロフィール

教育研究開発本部主席研究員 近藤 治

教育研究開発本部主席研究員 近藤 治

執筆者:学校法人河合塾 教育研究開発本部 主席研究員 近藤 治(こんどう・おさむ)

河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析を担当し、進学情報誌「ガイドライン」「栄冠めざして」などの編集を通じて受験生への情報発信を行う。高校営業、営業統括部門を歴任後、教育イノベーション本部にて次世代の教育研究開発に携わる。2018年より中部本部長として塾生指導に携わった後、2021年4月より現職。マスコミへの情報発信とともに生徒、保護者、高校教員対象の講演も多数実施。