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中日新聞・東京新聞に河合塾によるコラムが好評連載中!

2022年07月27日

中日新聞・東京新聞の「受験道」に、大学受験をテーマとしたコラムが連載されています。
本連載では、河合塾スタッフや講師が受験生やその保護者様に向けて、大学受験に役立つ情報をお届けします。
さらに今年度の「受験道」は、執筆者に英語科講師の岩崎浩之、数学科講師の西畑武、現代文科講師の高橋英夫が加わり学習のコツなどを解説します。

「受験道(7月掲載号)」~初志貫徹 カギ握る「夏」~

間もなく夏休み。今年はいつもの夏のイベントが復活できるといいですね。でも、受験生の皆さんは、夏休みを〝1回休む〟くらいの心構えでいましょう。第1志望校合格のためには時間がたっぷりある夏休みを有効に使うことが大切。「夏を制すものは受験を制す」です。今回は、今春入試の特徴的だった動きを紹介し、来春入試の予測をお届けします。
今春入試の特徴は三つありました。

▶まず一つ目は「大学入学共通テストの難化」です。大学入試センター試験時代も含めて多くの科目が過去最低の平均点となりました。中でも数学は①②とも平均点が大幅ダウンし、総合点でも目標に届かない受験生がたくさん出ました。

▶二つ目は学部人気の「文低理高」です。この傾向は数年間続いており、理系の中でも獣医、医、歯、薬といった難関資格系学部の人気が上昇中です。

▶三つ目は「入試の競争緩和」です。この2年で大学入試全体の倍率の低下は一気に進みました。特に私立大は2016~18年の合格者の絞り込みによる難化の反動もあり、この2年間で倍率は大きくダウンしています。

自分にはムリ、とあきらめていた大学が、努力すれば合格できるラインまで偏差値が下がってきています。第1志望校のバーをもう一段、上げてみましょう。そして来春入試ですが、ここまで紹介した今春入試の特徴が継続する可能性が高いでしょう。共通テストも来年は易しくなるという保証はありません。苦手科目・分野は時間のある夏休みに徹底的につぶしておいてください。
最後に。この春大学入試にチャレンジした先輩たちは共通テストが劇的に難化したのもかかわらず、第1志望校に出願した「初志貫徹」の割合が近年で一番高い学年でした。入試が全体的に易しくなっているという情報を的確につかみ、(平均点はダウンしましたが)全体の中での自分のポジションを冷静に俯瞰して出願作戦を考えたのでしょう。皆さんも先輩たちのような〝賢く勇気のある〟受験を目指してください。

※ 本文は7月13日付の中日新聞に掲載された寄稿内容です

執筆者のプロフィール

教育研究開発本部主席研究員 近藤 治

執筆者:学校法人河合塾 教育研究開発本部 主席研究員 近藤 治(こんどう・おさむ)

1985年河合塾入職。教育情報分析部門、高校営業、営業統括部門を歴任後、教育イノベーション本部にて大学入試動向分析、進学情報誌『ガイドライン』『栄冠めざして』などの編集に携わる一方、生徒、保護者、高校教員対象の講演も多数実施。2018年より中部本部長として塾生指導に携わった後、2021年4月より現職。

※ 2022年7月時点